岡山のアイデンティティを
歴史という切り口で紐解き
異文化を否定しない好奇心

006 「岡山県教育庁文化財課 内池 英樹」

2018年11月12日

 

知らないモノやコトを面白がれるというのは、一種の才能だと思う。
それは、好奇心のなせる業、なのかもしれない。
2013年に林原美術館で発見された戦国時代の文書群
「石谷家(いしがいけ)文書」の研究が認められ、
岡山市の文化向上に貢献した個人・団体をたたえる市文化奨励賞を
2015年度に受賞した、広島県出身の内池英樹さん。
岡山カルチャーゾーンという、歴史や文化が色濃く残るこのエリアのルーツを深掘りする際、
欠かせない人物のひとりである。
県立図書館や博物館などを経て、現在は岡山県庁の文化財課にて、
天然記念物や美術工芸品、民俗文化について、
その豊富な経験をいかんなく発揮されている。
大学進学を機に岡山に移り住まれてから、20年を過ぎ、
県外出身者だからこそ見えてくる岡山の特徴や魅力について、
蓄積された歴史の知識を元に、
行政の枠にとらわれない柔軟な発想と、異文化を面白がれる懐の広さで、
岡山のまちの可能性などについて、様々な切り口からのお話を伺いました。

 

 

_________________________________________________________

 

 

__

内池さんにとっての「歴史」って
どういうものですか。

 

内池

僕は広島出身なんですけど、
広島生まれの人たちは「歴史」っていうものを
長い間、なかなか身近には感じられずにいたんじゃないかなって、
個人的には思っていて。

 

__

それは、どういうことが影響してるんですか。

 

内池

極端な言い方かもしれませんが、
昭和20年で、広島というまちは一旦終わってるって、僕は感じていて。
それが2016年、25年ぶりに広島カープが優勝したことによって
広島がひとつになったのを目の当たりにして、
すごく嬉しかったんですよね。

原爆があって、その4年後(1949年)にカープはつくられているんですけど、
それは、原爆で何もなくなった広島に、
人々のプライドを取り戻すためで。
そして、創設してから30年後に初優勝するんですけど、
そこで初めて、自分たちが被爆の地で、75年間草木も生えないって言われたのに、
でも巨人を倒して優勝して。
要するに「復興」ですよね。
それはもう、ただごとではない。
あそこで、新しい広島っていうのができたと思うんですよ。
30年近くかかって、
失った歴史の中に「広島カープ」っていう、
新たな「広島のプライド」を取り戻すことができたんじゃないかなって。

 

__

広島の希望、なんですね。

 

内池

そうそう。
そしてそこからまた25年。
それが一昨年。
四半世紀ですよ(笑)。
嬉しいというのはもちろん、それを置いといたとしても、忘れてたんですよね。
そういう風に、広島がひとつになれるものがあった、っていうことを。
広島カープという、市民にとっての身近な存在によって
新たな文化が生まれるひとつのきっかけとなって、
広島にまた、新たな歴史が刻まれた。

岡山には、今、ファジアーノがありますよね。
広島カープと比べたらまだ歴史が浅いから、
今まさに、岡山県民一同で盛り上がれるプロスポーツとして
育っていっているところだと思うんですけど、
広島カープって、すでに県民にとっての文化になってるから、
勝っても負けても、近所の友達なんですよ、あのチームって。

 

__

暮らしの中の一部?

 

内池

そうそう。
ご飯を食べたり、天気予報を見たりするのと一緒に、
今日もカープの試合を見る、みたいな。

 

__

そっか。
すごく身近な存在なんですね。

 

内池

そう。
じゃあ、岡山にはどんな文化や歴史があるんだろう、って考えた時に、
案外いっぱいあるなと思って。
例えばこの図書館だって、
これだけのものを維持するって大変だし、
これだけのところに人が集まってくるっていうことは、
やっぱり、文化としての素養は、広島よりはるかに大きいと思いますよ。
確かに広島には、岡山よりも大きいホールとかがあるけど、
それは経済と地方行政の中心がそこにあるから、という理由もあると思うんですよ。
岡山自体のポテンシャルって、低くないと思うんですよね。

 

__

そうですね。
閑谷学校とか岡山藩学校とかも、
全国に先駆けて、できてますもんね。

 

内池

点字ブロックだって、岡山が最初でしょ。

 

__

そうですね。
原尾島にありますね。

 

内池

女子教育だって、岡山は早いじゃないですか。
今度、山陽女子は共学になりますけど。
そういう、当たり前のプライドっていうのを、
岡山の人はあんまり意識していないのかなって。

 

__

それって、あるからこそ意識してないんでしょうね。

 

内池

そう。
あるのが当たり前になっていてね。
岡山のサッカーも元をたどれば、
ヴィッセル神戸の前身となる、水島の川崎製鉄が戦後に始めたサッカー部でしょ。
明治の岡山の文化までさかのぼったら、農工具作ってみたり、
日本で国産車第1号を完成させたり、本来、先進的な土地なんですよね。
中央官庁の官僚にも、岡山出身の人多いですしね。
だから、優秀なんですよ。
そういう意味で、最近の岡山の人たちも、
今の時代に合ったオリジナリティを
もっと打ち出していってもいいんじゃないかなと思うんですよ。

 

__

たしかに、そうかもしれないですね。

 

 

内池

他県から来た者として岡山を見たときに、
いいものが沢山あるのに、それを当たり前に思い過ぎてるのかなー、って個人的には感じていて。
あるのが当たり前だから、ありがたみを感じられてないのが残念なところで。
犬養毅みたいな人が出てても、あまり話題に出てこないですよね。

 

__

せっかくある素材を生かしきれてないのであれば、
ちょっともったいないですね。

 

内池

もちろん広島にも、毛利元就がいるとか、宮島とか、探せばあるんですよ。
だけどね、歴史的なものっていう視点で考えたら、
なかなかないんですよね、広島市の中心部には。
だから広島は、カープというものに歴史的背景も重ねあわせることで、
みんながひとつになっていけるわけで。
そういう意味で岡山は、歴史的にも豊かなものが色々残っているから。

 

__

たしかに。

 

内池

例えば、笠岡の竹喬美術館とかもいい展示をしてますし、
林原美術館や県立博物館に美術館、
それから津山の洋学資料館も魅力的でしょ。
挙げていくのが大変なくらい、すてきな美術館博物館があります。
だから、いろんな所に、いろんな魅力的なものがありすぎて、逆に分散してしまう。

 

__

岡山城も後楽園も、魅力ある色んなものの中のひとつ。

 

内池

うん。
「これが好き」っていうのが、ひとつに集中しない。

 

__

そうかもしれないですね。
選択肢がいろいろあるっていうことは、ある意味幸せなことかもしれないけど。
ひとつになるとか、抜きん出るとか、
とんがる感じには、なりづらいかもしれないですね。
それを「よい」「悪い」では、単純に語れないですけど。

 

内池

そうですね。
まあ、広島だと、カープファンなのが当たり前、みたいな空気感があるので、
それもどうかと思いますけどね(笑)。

 

__

ふふふ(笑)。

 

内池

だって、電光掲示板には「広島行き」とあわせて
「カープ優勝おめでとう!」って表示されるし。
それってJR西日本が、ちゃんとプログラミングしてる、ってことでしょ。
優勝したらJRの車両は赤色になるし。
異常な熱意、ある意味ではバカだと思いますよ(笑)。

 

__

あはははは(笑)。
バカになれるぐらい、熱狂できる。

 

内池

それが、当たり前の生活の一部なんでしょうね。
大阪で言うと、吉本新喜劇をみんなで観るように。

 

__

阪神を応援するように。

 

内池

うん。
じゃあ岡山って、それに匹敵するものは何があるんだろう、ってなった時に。

 

__

なんだろう?

 

内池

すぐに、ぱっと出てくるものって、なかなかないでしょう。

 

__

そうですね。
すぐに思いつかないですね…。
そういう、県民がみんなで熱狂できるものがあって、
それが生活の一部になっている感じ、っていうのは、
広島の魅力のひとつですよね。

 

内池

岡山って、いろんな地域にいろんな文化があるでしょ。
だから、どうやってそれぞれに目を向けていくのか。
たとえば、足守とかとも、岡山藩とはまた違う文化だし。
「近水園(おみずえん)」とか、
そういったものと連動するようなこととかあってもいいのかなー、とか。
ひとつの方法として。

 

 

__

公園について言うと、いろんな特徴や個性を備えた公園があって。
ここの図書館の広場も、公園と言えば公園で。
石山公園以外にも、運動公園もあって、こどもの森もある、西川もある。
今度は、北長瀬にもできる。
ちっちゃい公園とかも入れたら、もっといっぱいあるけれど、
そういう公園を、地域の中に溶け込んだ、もっといい場所にしようってした時に、
まずひとつ、最初に、ランドマークじゃないけど、
目立つものというか、
魅力的だな、真似したいな、
あの公園いいな、って思ってもらえる場所づくりっていうのを、
まず仕掛けていくことで、
それ以外のところにも波及していく、連携ができていく、っていう、
効果や狙いはあると思います。
だからそれを、まずはこの地域から始めたいな、という思いですね。

 

内池

去年、内山下小学校で歴史をテーマに実施した社会実験は、
良かったと思いますよ。

 

__

ありがとうございます。
「西の丸デェードリーム」ですね。
内池さんにもご協力いただいて。

 

内池

石山公園でやってたオープンカフェも良かったと思うんですけど、
一方で、どこにでもあるものになってしまうことは、悩みだと思うんですよね。

 

__

「岡山らしさ」っていうことを、
どういう切り口で考えていくかっていうことは、
常に課題としてありますね。
奇をてらう必要はないと思うんですけど。

 

内池

カープが強くなったのって、帽子を赤にしたからで、
その時優勝してるんですよ。

 

__

それまでは?

 

内池

紺だったんですよ。
地味な。
アメリカ人が監督になって、燃える赤にしよう、ってなって。
だって、赤なんて、男の子はあんまり身に着けないでしょう。

 

__

小学校の頃は、女の子は赤、男の子は青、っていうのが
暗黙の了解でありましたね。
あれすごく不思議で、先生に「なんで」って聞いたことありますけど。

 

内池

ジェンダーとしては、好ましくない考え方ですけどね。
だけど、広島の男の子、赤かぶりますからね。

 

__

広島カープが「赤」というテーマカラーがあるように、
色を効果的に使うと、ブランディングしやすいですよね。

 

内池

うん。

 

__

そういえばこどもの頃、「燃えろ岡山」っていうのがあったんですよね。

 

内池

「燃えろ岡山県民運動」でしょう。

 

__

そうそう。
あれも不思議な運動ですよね。
だから、燃えてなかったんですよね、岡山の県民性として。

 

内池

でもね、岡山県民って、燃える必要ないんですよ。

 

__

あら。

 

内池

なんか、じわじわじわじわしてるでしょう(笑)。

 

__

そういうところがあるかもしれないですね(笑)。

 

 

内池

博物館で働いていた時に、
お客さまが来ない来ない、って言われてたんですけど、
「秀家と秀秋」っていう企画をやってみたら、意外に来てくださって。
去年の12月の一番寒い時期に。
普通、来ないんですよ、あの時期には。

 

__

そうなんですね。

 

内池

全く集客読めないけど、でも岡山としては重要な人物だから
(宇喜多)秀家と(小早川)秀秋を取り上げて、
コンテンツとして需要があるかどうか、実験したんですよ。
企画のタイトルを、最初、「秀家と秀秋」で提案したんですよね。
「(豊臣)秀吉の養子たち」っていう名前にしようかと思ったら、
正確にいうと、養子じゃないんですよね。
秀吉の養女(豪姫)の旦那さんだから、秀家は。

 

__

そっか。

 

内池

違うでしょ、ってなって(笑)。
でも確かに、正確にはしないといけないし、
じゃあもう、思いつかないから
「豊臣秀吉チルドレン」だと文句ないだろうって言ったら、
それも政治用語だとかね。
紆余曲折あったんですよ。

 

__

史実に正確にしないといけないから、いろいろ難しいんですね。

 

内池

難しかったけど、でも、タイトルとしてはすごく分かりやすいから、
最終的には「宇喜多秀家と小早川秀秋~豊臣秀吉チルドレン~」にして。
そしたら、ある自治体の長をされている方が興味を持ってくださって、
忙しい中来てくださったんですよ。

 

__

おぉ。

 

内池

その方が、「この二人は、確かに岡山にとって大切な人だよね」って。
ある日曜日に、1時間ぐらい滞在されて。

 

__

結構、たっぷりじっくりと。
ちょっと覗きに来た、とかじゃなくて、
本気で見に来られている感じですね。

 

内池

通常、そういう方が来館されたら、館長や課長がご案内するんだけど
その時、僕が直接対応することになって。
当時僕は、役職でいうと下の方だったから、
直接、自治体のトップの方と話しすることなんて、まずない。
本来、ありえないことで。

 

__

詳しく教えて、みたいな感じだったんですか?

 

内池

館長から、間違えたらいけないからって、案内役を仰せつかって。
失礼のないように、館長と一緒にご案内して。

 

__

緊張しそう(笑)。

 

内池

その方は、一生懸命勉強して来られててね。
小早川秀秋は、21歳の若さで急死してるんです。
その死因について、
関ヶ原の戦いの時の裏切りに対する祟りとか、いろんな説があるんだけど、
その方から「その説は本当なの?」って聞かれて。
でも最近の研究では、お酒の飲み過ぎだってことが分かったから、
「一般的にはそう言われてるけど、お酒が原因なんですよ」ってお伝えして。
その時に、これはいいチャンスだと思って、
「僕は分からないんですけど、若干ハタチを過ぎた人が、今の行政のトップのような、
 そういう激務に耐えられるものなんでしょうか」って聞いたの。
今でいう県知事とか、都道府県の長と同じ立場じゃないですか。

 

__

そうですよね。
一国を任されて。

 

内池

そしたらその方が、「大変だろうね」って。
それは、体験した人じゃないとやっぱり、分からないじゃないですか。
これは良いこと聞けたな、と思って。

 

__

ほんとですね。

 

内池

見てもらうのって、何かちょっとしたひとつの工夫がいるじゃないですか。
その時言われたのが、色使いとかネーミングがよかったよ、って。

 

__

来るきっかけになったってことですよね。
その方の興味の対象に、ちょうどハマったんですね。

 

内池

うん。
絶対行きたいって、自分から言われたんですって。
あーやっぱり、そういうことなんだなって。
それって、お客として来て下さったから、
直接教えてもらえたことじゃないですか。

 

__

そうですね。

 

内池

石山公園のことを考えるときも、
「こうなったらいいな」っていう、未来像を考えると思うんですよね。
だけど、その前ってどうなんだろうって、
過去も未来も、どちらも含めて考えるってことが、
ものごとを深めるためには、やっぱり必要かなって。

 

__

ひとつのポイントだけじゃなくて
全体像とか、その土地の歴史も含めて思いを馳せる。

 

内池

どんな人がいたか、とかでもいいと思いますし。

 

__

その場所にまつわるルーツ、ってことですよね。
「ヒストリー」と「ストーリー」って、語源が一緒なんですって。
歴史って、日々の積み重ねだから、
日々それぞれのストーリー、物語が積み重なったものが、
歴史になっていって。
石山公園は烏城公園の一部だし、
烏城公園自体、
岡山空襲後に、市民公園にする目的で整備されたそうですし、
あの場所で、過去に、どういう生活をされてた人がいてとか、
どういう暮らしがあって、どういうものがあって、
今、こういう公園になってるか、
みたいなことを知ったうえで、
あの場所の活用方法を考えるのと、そうでないのとでは、
多分きっと、違ってくるのかもしれないですね。

 

内池

あそこ自体は元々、堀なんですよね。
小早川秀秋が、二十日間の突貫工事で造らせたと言われる「二十日堀」の一角で。
江戸が終わった時に、多分埋め立てたと思うんですけど。
室戸台風の時は、旭川沿いのあの辺りから岡山城下に水が入って、
後楽園でさえも水に浸かってしまう被害にあってるんですよ。
あそこをかさ上げして、堤防にして平地ができたから、
公園にしたんだと思うんですけど。
だから、本来は無かったはずの空間なんですよ、当時の都市計画的には。
そういう場所を、地域の憩いの場というか、
どういう結節点にするかっていうことを、
歴史的背景も含めて考えていくってことが、
まさに、これからの新しい都市計画をつくっていく時に必要で。

 

 

__

そうですね。
石山公園だけじゃなくて、市民会館が移転したあとの機能をどうするかとか、
内山下小学校の跡地活用をどうするのかとか。
岡山市としては、この岡山城周辺の一帯を地続きで、
歴史公園にするっていう計画案もあるようだし。
そういう意味で、このエリアはこれから数年間、
ハード面もソフト面も共に、変わっていく過渡期にあると思うんですね。
その中の一部としての、石山公園という場所でもあるし、
岡山カルチャーゾーンっていう、
文化的なエリアの中のひとつの場所として見た時に、
やっぱり、都市計画やまちのデザイン、
人々の暮らし方、観光、エリアマネージメントの視点とかも含め、
どんなエリア、どんなまちにしていくのか、っていう全体のビジョンは必要だし、
地域との連携っていうことは、絶対に考えないといけないことだと思ってます。
この「OKAYAMA CULTURE SCOPE」は、
そのきっかけのひとつになれば、という思いで立ち上げたサイトなんです。

 

内池

岡山のある企業で、
江戸時代とかの絵図データを、レイヤーのように重ね合わせて
Googleと連動させていくような技術を作って持ってるところがあるんですよ。
そこの社長が10年前ぐらいに、
10年ぐらい先の技術を、夢みたいに熱く語ってて。
結局、実現させてね。
今でこそ、デジタルって当たり前のようになってますけど、
その当時は、ちょっと先を行き過ぎてて、理解がついていかなかったんですけど。
でも今は、国内外の貴重な文化財のデジタル化を、
その会社が全部やってますからね。
そんなところに協力してもらうというのも、ひとつの方法ですよね。
回遊性を生み出す企画をやる時に、
文化芸術に、そういった昔の古地図と合わせて、まち歩きをするとかね。
そういえば昨年、そういうこともされてましたよね。

 

__

はい。
やりましたね。
昨年の内山下小学校での「西の丸デェードリーム」での企画で、
写真家の浅田政志さんにご協力いただいて
なんちゃってVRメガネをつかった、歴史体験型のツアー
「“VR(ぼっけぇリアル)”なトラベルツアー」を。

 

内池

あれはすごく良かったんですよね。
見に行けなかったのが残念だったけど、
成功するに決まってると思っていたので。
実際、歴史的な場所で、当時の衣装を着た人が、
その場所にまつわるエピソードの寸劇で「ぼっけえリアル」をして、
そういう楽しみも組み込んだ場の見せ方をしたのがね、
すごく良い企画だったと思って。

 

__

今後、あの企画をもうちょっと発展させて、
この「OKAYAMA CULTURE SCOPE」とかと、うまく連動させたりしながら、
歴史を踏まえた地域の魅力を知っていただくきっかけにしたいなと思っていて、
目下、いろいろ妄想中なんですけどね。

 

内池

あれは面白かったですよね。
今後、日程を決めて、定期開催するとかもアリでしょう。
ツアーじゃなくても、ポイント毎の場所での実施でもいいと思うんですよね。
そうすると、劇団の人とか、そこに関わる人の雇用にもつながるでしょ。
それで、出番のない時は、そういう格好で、石山公園のカフェで働くとかね。

 

__

そういう、いろんな可能性があるエリアだなと思っていて。
「回遊性」って、ただ単に場所を巡るだけじゃなくって、
このエリアの特徴としてある歴史を踏まえて、
体感する、実際に見る、感じる、考えるっていうことをしてもらいたいなと思っていて。
それが、地域の潜在的な魅力を引き出すことや、
地域への理解を深めることとか、
差別化にもつながっていくと思うんですよね。
そういうことが、あの企画にもつながっていってて。

 

内池

浅田さんの話も、面白かったですよね。

 

__

そうですよね。
とても魅力的な方です。

 

内池

僕の知っている世界の人ではないんですけど、
こういう素敵な人がいらっしゃるんだなって。
「西の丸デェードリーム」の企画で対談させてもらった後、
道後温泉に仕事に行くことがあって、
そしたら、浅田さんの写真が飾ってあって。

 

__

「道後オンセナート2018」ですね。

 

内池

あの人は、ちゃんと調べた上で白鷺に扮したりとかするでしょ。

 
__

鳥人間鷺太郎(笑)。

 

内池

ああいうことをやめたら、彼ではないなと思うんですよね。
真面目にバカなことができるあの人は、多分、すごく深いんですよね。
ああいう人が来てやるんであれば、芸術って、すごい力になると思うし。
ENNOVAって、そういう「本物」を呼んでるでしょ。

 

__

あ、そうですね。
どの企画でも、一応そこはちゃんと考えて、お声掛けさせていただいてるので。

 

内池

本当に世界で戦えるような人たちを呼ばれてるから、いいと思っていて。
でも、それがなかなか伝わらないでしょ。

 

__

難しさはあるかもしれないですね。

 

内池

平井さんも、すごいでしょ。

 

__

ダンサーで振付演出家の、平井優子さんですね。

 

内池

池田家について、会って話してって、
ENNOVAの方に言われたのでお話ししたんですけどね。
有名な方かもしれないんだけど、
ごめんなさい、何も存じ上げない、申し訳ない、って言って。
でもお話をしてみると、やっぱり、ひとかどの方で。
ヨーロッパの町であった出来事の話とかをされてて。
浅田さんも平井さんも、話の中ですっと入っていく着目点が素晴らしくて。
平井さんに会って、コンテンポラリーダンスとかも初めて知りましたし。
youTube で見たんですよ。

 

__

どうでした(笑)。

 

内池

分からなかった(笑)。
でも、変な表現かもしれないですけど、
江戸時代の後半、文化文政っていう時代、
19世紀になって全国的に町民文化が盛んになるんですけど、
そういう時って変わった事が起きたり、
今までの形にないものが生まれたりするんですよ。
郷土色豊かな郷土文化も形成されたりとか。
それと一緒なんだろうなと思って。

 

__

そういう時代のムードはあるかもしれないですね。

 

 

内池

平井さんの人柄も素敵で。
何より、吸収したいっていう姿勢が。
岡山の歴史のことなんてご存知ないのに、
それを踏まえて、ちゃんと昇華させようっていう、
そこは、浅田さんも平井さんも共通していて。

 

__

スタンスが。

 

内池

はい。
浅田さんに関しては、家族の写真があるじゃないですか。

 

__

「浅田家」ですね。
その作品で、2009年に、第34回 木村伊兵衛写真賞を受賞されてますね。

 

内池

あれはちゃんと、ヒストリーだって言ってたでしょ。
ああいう、面白いことを真面目に取り組む人が評価されるというか、
そういうのが芸術のいいところだと思うんですよね。
松山の人たちも、あの道後の写真を絵だと思ってたみたいで。

 

__

たしかに、絵に見えるくらいインパクトのある写真ですよね。

 

内池

それぐらい、仕込みに仕込んでやってるから、
一見ふざけているようなことをやっていても、
最終的に出来上がるものが素晴らしい。

 

__

そうですね。

 

内池

そういう意味で言うと、例えば、岡山のボンタン文化とか。
あんなのやっても面白い気がするんですよね。

 

__

岡山には「寅壱」がありますもんね。

 

内池

ああいう、ワークフォーマルが今人気なのは、
動きやすくて怪我しないんですよね。

 

__

機能的だったりするんですよね。

 

内池

そう。

 

__

それこそ、何年か前の内山下小学校での社会実験「ハイコーチャレンジ」の時に、
高知の芸術祭を仕掛けてる方からコンタクトいただいて。
その方が高知の芸術祭に招いてる、寅壱をユニフォームとしているダンスチームがあると。
「ビルヂング」っていうんですけど。
せっかくだから、寅壱のある岡山でもワークショップがしたい、っていうことで、
ハイコーチャレンジの企画として、
ダンスのワークショップをやっていただいたことがあって。
私も参加させてもらったんですけど、すごく楽しかったですよ。
みなさんオシャレに、ニッカポッカを着こなしていて、
あ、こういう使い方もあるんだなって。
 
 

内池

僕今、文化財課で、
例えば、オオサンショウウオを探しに行ったりするんですけど。

 

__

そんなこともしてるんですか(笑)。

 

内池

そうなんですよ(笑)。
普段はスーツも着るけど、そういう時ってやっぱり作業着で。
作業着ってね、安全なんですよ。
さすがに寅壱は着ないですけど、作業着はすごくよく考えられてて。
例えばひとつの文化として、そういうのもアリかなって。
綺麗なものである必要はなくって、
ちょっとシニカルなところも、岡山の魅力なのかなと。

 

__

そうですね。
必要とされて生まれてくる新しいものは、
継続していくことで、それが新しい歴史や文化にもなるし。
元々ある資源や人に目を向けながら、
新しく生まれたものと歴史的なものが共存・融合できるといいんでしょうね。
内池さんが外から見てというか、
県外から来られた方の第三者的視点として、
岡山の特徴を見て感じられたこととかのように、
色々あるものの中から、どうチョイスしていくかとか、
優先順位というか、選択基準というか、
選び方が上手にできるようになるために、
ちょっとした教育とかが必要なのかもしれないし、
それが、芸術の力かもしれないしな、って。
 
 

内池

でも、上手に選ぶ必要ないんじゃないんですかね。
トライアンドエラーでいいと思いますよ。
より効果的にとか、より有効のやり方は目指すべきですけど、
みんな同じようなものになっていく必要はないと思って。
今までされてきたように、いろんな個性があるからいいんであって。

 

__

もちろん、そうですよね。
みんな違っていいし。
さっき言いたかったのは、
いっぱいある選択肢の中から自分が選ぶときに、
何かひとつ、自分なりの選択眼を持てることで、
より自分に合ったものが選べるというか、
そういう力を持てるようになると
それぞれの人が、自分に合った楽しみ方を見つけやすくなるのかなって。
新しい世界の扉が開きやすくなるというか、
自分の「好き」をカタチにするのに、
こういう方法もあったんだ、って気づきやすくなるというか。
それぞれの人が、それぞれの人に合ったものを、
よりよく選ぶ方法を知るための情報、というか。
そこに、教育とか芸術が、特別なモノとしてじゃなくて、
サブリミナル的に、日常にうまく組み込まれていくといいなって。
選択肢がたくさんあるんであればこそ、
岡山の人は、そういう楽しみ方ができるかもしれないし。
だから、こどもたちはもちろんのこと、大人にとっても、
暮らしの中で、自然とそういう力を育んで、身につけていける環境づくりって
これからのまちづくりを考える上で、とっても大事なんじゃないかなって。
せっかく、そういう特徴がある地域だし。

 

内池

芸術的なものっていうと、若い人しかしないよね、っていうんじゃなくって、
岡山はおじいちゃんもアーチストです、みたいな。
そんなふうに、あんまり肩肘張らなくてもいいのかな。

 

__

そういうまちかもしれないですね。
なんでもあり。

 

内池

逆に、選べるからこそ、群れる必要もないし。

 

__

それぞれが持つ、選択肢のひとつとしての魅力を、どう伝えていくか。

 

内池

僕が多分、歴史なんかを調べてるのは、
岡山の魅力って、そういうところだと思ってるからで。
それが例えば、芸術が好きな人とか、別のことが好きな人とか、違うでしょ。

 

__

たまたま内池さんは、それが歴史だった。

 

 

内池

調べれば調べるほど、岡山って面白いんですよね。
殿様たちの文化ももちろんあるんだけど、人々の文化もあったりして。
石山公園のすぐ近くで、
江戸時代の石の収集家が住んでるような記録があったりとか。
全国の石マニアの本の中に出てくるような人がいるんですよ。
でも、それって知らないでしょ。

 

__

知らなかったです。

 

内池

岡山で去年、教育の展示をする際に、たまたま江戸時代の石の標本が出てきて。
僕らの世界だったら、興味がないものは排除することが多いんだけど、
カニの化石とか持ってるって、ちょっと面白いよね、っていうことになって、
展示してたんですよ。
そしたら、「西の丸デェードリーム」で展示をされてた、新里碧(にっさと みどり)さんが、
元々は違う展示作品を作ろうと思ってきたんだけど、
その石の標本を見て、江戸時代の人に感銘を受けて、
あの展示作品を作ったらしいんですよ。
元々、石が好きだったんですって。

 

__

新里碧さんには、「岡山名晶コレクション」っていう、
石を宝石に見立てた作品の展示をしていただいて。
あの方は、
いつもちゃんと現場をリサーチしてから作品を作るスタイルでいらっしゃる、
というのは伺っていたんですけど、
なるほど、そういう経緯で、あの展示作品ができたんですね。

 

内池

石をちゃんと手にとって見れるようになっててね。
そういう柔軟性とか、敬意を払って真面目にそれに取り組む姿勢とか、
素晴らしいな、って。
だから、僕にとって「西の丸デェードリーム」の企画って、
そういう意味ですごく面白かった。
歴史をやってきて、結果が出たモノを見てくださって、
インスピレーションでそんなふうに変わるんだったら、
歴史博物館とかなんとか言わずに、やれたらいいのになって。

 

__

クオリティは高く、でもカジュアルに。

 

内池

うん。
彼女は、帰る間際、バスが出るギリギリまで博物館に寄られて、
土器の展示とか見て帰られて。
その時にヨーロッパの、ぼくは知らないまちの写真とか見せてもらいましたけど(笑)。
逆に僕らは、そういうのを知らないので、見る目線の違いとかは面白いです。

 

__

普段、混ざり合うことがない人やモノ・コトも、
芸術やアートを用いることで異文化の垣根を越えられるのが面白いですね。
 
 

内池

ただ、面白いと思える人が、
世の中にどのくらいいるか、っていうのはわかんないですけどね。
僕は比較的、そういう違いは気にならないんですけど、
自分の枠の中に入ってくるアートしか受け入れられない人が多いような気がする。

 

__

それは、何ででしょうね。

 

内池

怖いんでしょう。
やっぱり、浅田さんと話をするとかって、怖いと思いますよ。

 

__

何が飛び出すかわからない怖さ。

 

内池

うん。
専門的じゃない事って、言えないから。
そういうのってあると思うんですよ。
だって、白鷺は専門じゃないから(笑)。

 

__

たしかに(笑)。

 

内池

だけど、それを否定せずに受け止められるかどうかが、
お互いに求められる大切なことなのかなって。

 

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異文化を認め合える。

 

内池

指さして、退けるのは簡単なんですけど、
手を握るかどうかは別としても、覗いてみるくらいはね。

 

__

ドキドキしながら覗いてみると、
知らない、新しい世界が広がってたり。

 

内池

意外と一緒だったり。

 

__

そうですよね。
ルーツが一緒だったっていう発見もあるかも。
 
 

内池

そうそう。
知らないだけで、お互いに気づいたら、見てる方向が一緒だったとかね。

 

__

興味を持ってもらえるかどうかは、
まず、自分の知識の中にそのことが「ある」か「ない」かが大きくって。
いろんな媒体で情報発信したとしても、
そもそも、それ自体を知らないと、
アンテナにも引っかからないからスルーしちゃうというか、
興味も持ってもらえないから。

 

内池

知らない海外の食べ物を食べないのと一緒で、
最初にナマコを食べた人は偉いな、っていうのと一緒で。

 

__

「西郷どん」でもやってましたね。
久光が外人さんに食べさせて(笑)。
 
 

内池

あれだけ生魚は食べないって言ってる人たちも、
寿司は食べるわけでしょ(笑)。
 
 

__

タコ食べる日本人は変人だって言われたりとか。

 

内池

でも、食べたら美味しいでしょ。
だからその辺りのことなんだと思うんですよね。

 

__

知るまでの一歩、知ってからのまた一歩。
次に行くまでに時間がかかるかもしれないけど、
そこがうまくつながっていくと、
興味を持てるものと出会えたりするので。

 

内池

その辺りのことを仕掛ける時に、
何かお手伝いできることはあると思うんですよね。

 

__

あ、ぜひぜひ。
私たちの役割、NPO 全てかどうかは分からないですけど、
ENNOVAに限って言うと、きっかけづくりとか、場づくりとか。
ENNOVAが直接、何かメインで動くというよりも、
後押ししたり、環境を提供したりとか、つないだりとか。
そういう役割かな、と思って、ずっとやってきていているので。

 

内池

続いてるのは、そういう理由があるからじゃないですか。
やっぱり、絶妙の付かず離れず感というか。
 
 

__

さっき話に出た、ネーミングの妙、みたいなところも毎回悩むところで。
「ハイコーチャレンジ」もそうだし、「西の丸デェードリーム」とか。
石山公園での社会実験のオープンカフェ「オリバープロジェクト」とかは、
「オリバー」は、岡山弁で言う「おり場=居場所」。
「わしらのおり場じゃけえ」みたいなところと、
聞いた時の響き、みたいなところのニュアンスとかを考えてつけたり。

 

内池

だけど、「ぼっけえアル」が最高ですよ。

 

__

あ、よかったですか(笑)。

 

内池

あれはね、やられた(笑)。
 
 

 

__

あれは、「なんちゃってVRめがね」を使った体験型ツアーをやったらどうか、
っていうアイデアを浅田さんが提案してくださって。
じゃあ、ネーミングどうしようかってなって、
岡山でやるから、「VR」で「ぼっけえリアル」ってどうかな、って言ってみたら、
あ、それいいじゃん、って(笑)。
即決でした(笑)。

 

内池

そういうのが、凝り固まってないからいいのと、
分からなくても、これは外せないっていうところは外してないので。
ちょっとデフォルメするところとかのさじ加減も、ちゃんとされてると思うんですよね。

 

__

間違ってないですか(笑)。

 

内池

僕はそう思います。
共感できなかったら、一緒に何かやろうってならないですよ。

 

__

そう言っていただけると、ありがたいです。

 

内池

ENNOVAさんと、このようなコラボができているのは、
今まで苦労されてきて、それが積み重なってきた成果だと思いますよ。

 

__

ありがとうございます。
やっぱり、コツコツ地道に続けていくって大事ですね。

 

内池

一過性じゃないじゃないですか。
仕掛けていってる部分もあると思うけど、
そうじゃない時も、地道にされてるから。
そのあたりは、ちゃんと見てる人は多いと思いますよ。

 

__

岡山には、いろんな活動をされている方々がたくさんいらっしゃるんですけど、
それぞれの得意が、それぞれの場面で合わさると、
いろんな武器が使えるから、
まち自体の戦闘能力もあがっていきそうですね。

 

内池

規模感にしても、交通の便にしても
岡山ってちょうどいいでしょ。
他の県に負けてるところって、何かあるかなぁ…。

 

__

んー、なんだろうなぁ…。
東京にも大阪にも住みましたけど、
岡山に帰って来て、パーソナルスペースの広さに、すごくほっとしたんですよ。
あと、夜はちゃんと暗いとか。
あ、岡山案外いいじゃん、って。
ずっと中にいると見えないことも、外から見ることで気づくこともたくさんあって、
そういう当たり前のことが当たり前にあるまち、なんですよね、やっぱり。

 

内池

そういう、当たり前にあるものを、
みんなが大切にできるまちになるといいですよね。

 

__

内池さんは、 広島から岡山に来られて、何年ぐらいですか。
 
 

内池

二十何年かな。

 

__

今後も岡山で暮らししていく中で、
こんな感じでいられたら、っていうのはありますか。

 

内池

岡山に行ったらあの人いるよね、っていうようなのでいいんじゃないですか。
岡山に行ったらあいつがいるから、ちょっと会おうかな、みたいな。
そんなふうに思ってもらえるような感じになれたらいいなと思いますけどね。
一緒にご飯食べよう、とか。
僕がいるから、岡山に行ってみようと思ってもらえるような。
それでいいと思いますけどね。

 

__

やっぱり人ですもんね、結局は。

 

内池

そうだと思います。
場はもうあるので。

 

__

そうですね。
 
 

内池

あとはこっちが、どれだけ自分を磨けるかっていうことだと思います。
僕だったら、みんなに興味を持ってもらえるような、
このあたりの歴史についてのネタを持っておくことだったり。
 
 

__

最終的には、個人の努力によるところになってきますもんね。

 

内池

そうそう。
だから今後は、それぞれがそれぞれの特技を活かしていくっていうところが、
重要になってくるんでしょうね。
個人的には、そういう、今までやってきたことを評価してもらえたから、
今があると思いますし。
岡山は、そういう多様性を受け入れてくれる場所だと思う。

 

__

いろんな顔があって、いろんな個性を許容してくれるのが、岡山。
 
 

内池

そこにみんなが、夢を持ってるんじゃないかなと思います。
実現しようと思ったらできる場なんだと思います。
もし、何か足りないとすれば、
明治の頃に持っていた、岡山のフロンティア精神っていうのかな。
何かやってみよう、自分たちが切り開いてみよう、っていう、
自分たちらしさを出していくことをね。
二番煎じだったとしても、
一生懸命考えて頑張った結果であれば、それはそれでいいと思うんです。
それぞれが持っている良さを大切にしつつ。

 

__

フロンティア精神。
ちょっと踏み出してみる勇気。

 

内池

一歩じゃなくて、半歩くらいでもいいと思うんですよね。
ちょっとやってみようとか、ちょっと見てみようっていう。
「ひとり」のちょっとだけじゃなくて、「みんな」のちょっとで。
それがやがて、岡山の大きな力になっていくんだと思います。

 

 

 

 

内池 英樹(うちいけ ひでき)
岡山県教育庁文化財課保護班

 

 

 

インタビュー・写真
石井 範子(ENNOVA OKAYAMA)