友人との素敵な出逢いが
岡山での居心地になる
縁と暮らしと家族の風景

008 「David Macklem & 綿引光子」

2019年2月19日

 

2011年の東日本大震災を機に家族で岡山へ移住して来られた
David Macklem さんと 綿引光子さんご夫妻。
光子さんのお姉さんでもあるアーティスト・Charaさんの掲示板がきっかけとなり
ご縁が結ばれたおふたりは
キャラクターも個性も、それぞれ違う魅力があり、才能も豊か。
お会いすると、いつも楽しい気持ちにさせていただけるのは
きっと、自分にとっての「心地よい居場所を見つけ出す」という能力に長けているからだと思う。
あれからもうすぐ、8年。
年間パスポートを持つというほどお気に入りの、秋の紅葉美しい後楽園で
震災のこと、子育てのこと、友人との出会いのことなど
今ではすっかり「岡山人」となったおふたりにとっての
岡山での暮らしやこれからのことについてお話を伺いました。

※インタビューは、11月下旬に行いました。

 

 

_________________________________________________________

 

 

__

おふたりは、どうやって出会ったんでしたっけ?

 

光子

まぁ、インターネットですけど (笑) 。

 

David

I was working in New York in a large design office, and I was interested in Japan.

 

光子

以前に、(デビッドが)日本に来たことがあったので。
若い頃に岐阜県に赴任したことがあって。
1年ぐらいだっけ?

 

__

東京に住む前に?

 

David

Yes.
There was a very memorable homestay while in Gifu that made a big impression on me.

 

光子

いまだに、岐阜県の友達がいるんですけど。
だから、全く日本を知らないわけではなく、そういう経験があって。
それで、日本が好きで、っていうのがまず前提にあって。

 

David

I remember we talked a lot about art history, as we’d both been art majors.

 

光子

(アート関係の学校に行っていたので、その系統の話をしていた)
そうね。
ぶっちゃけて言うと、(デビッドが)音楽がすごく好きで。
うちの姉の掲示板にも書き込みをしていて。

 

__

その時はまだ出会う前?

 

光子

出会う前で。
私はその頃プロレスファンで (笑)。

 

__

聞いたことある (笑)。

 

光子

そうそう (笑)。
プロレスラーの追っかけをしていて。
私が一番贔屓にしていたレスラーが英語圏の人だったので、
英語をちょっと勉強したいと思っていたのもあって。
そしたら、姉の掲示板に英語の書き込みがあったから、
これは英語勉強のチャンス!と思って、
彼の質問に応えて書き込んで。
それでやり取りしたのが始まり。
その時は、どうせこの人ニューヨークに住んでるから会うこともないだろうし、
勉強できたらいいやと思ってて。
そんな中で、何回かやりとりしてて。
「アートの学生だったの?僕もだよ」とか。
そういうのが最初にあって。

 

David

New York was very tough, especially the corporate working culture.
It wasn’t enjoyable.

 

光子

まぁね。

 

David

It was like a war every day inside the company.
I considered moving to a few different places: Sweden, Spain, Brazil.
In the end I chose Japan.

 

光子

どこに行こうか悩んでてね。
結局最後は日本を選んで。

 

__

スペインやブラジルとか、いろいろ選択肢があった中で、何で日本を選んだの?

 

David

Since New York was so exciting, l wanted somewhere peaceful and safe to live.
Brazil was not so safe.

 

__

あ、そっか。

 

David

Spain had a struggling economy at that time.

 

光子

(スペインの)経済がね、その時は悪かったから。

 

David

Sweden was great.
I have relatives in Sweden.
But it was very cold.

 

__

あぁ、寒い、寒い (笑)。

 

光子

ふふふふふふ (笑)。

 

David

Japan was safe and friendly, so l chose Japan.
When l first came to Tokyo, I didn’t know anyone.
I didn’t have a job or a place to live.

 

光子

何もなかったんだもんね。

 

David

I found temporaray housing in Uguisudani.

 

__

鶯谷 (笑)。

 

光子

怪しいので有名な鶯谷 (笑)。

 

David

Which ironically is neither safe nor friendly.

 

光子

そうね。
もうJAPANの中で相当やばい (笑)。

 

David

But I knew that the best way to meet people in a new city was to have a gallery art show.
There was a place in Harajuku called Design Festa Gallery where anyone could have a show.
So l paid 1000 yen or something, and had a show.

 

 

光子

原宿に「デザインフェスタ」っていうギャラリーがあって、
そこにちょっとのお金を払って、
東京に来てとりあえず、自分のアートショーをやったんだって。

 

David

At that time, Mitsuko and I could communicate by the internet, but we had never seen a photo and did not know each other’s real name.

 

光子

どういう人かも知らない。

 

__

顔も名前も分かんない?

 

光子

メールだけでやりとりしてるから。

 

__

あ、ペンネームとかハンドルネームで?

 

光子

ハンドルネーム(笑)。

 

David

I asked her to please come to my gallery show, and she did.

 

光子

まぁね。

 

__

そこで初対面だったんだ。

 

光子

なんかいつの間にか来てると思って (笑)。

 

__

そこで初めて名乗ったんですか?

 

光子

一応。
でもその時、岐阜県の友達もちょうど来ていて。
「はじめまして。私のこと、誰だかわかる?」って聞いたら、
「What?」って言ってたけど (笑)。
ね。
ハンドルネームも忘れちゃったけど (笑) 。

 

David

From this day she is the leader.
I’m a follower. (笑)

 

__

そうなんだ (笑) 。

 

光子

メールで変な人じゃないっていうのは分かってたし。
でも、私のイメージの中では、
黒人のすごいおとなしい、しっとりした感じの人だったんけど、全然違った (笑) 。
学校でアートを習ってたとか、岐阜にいたことがあるとか、そういうのは知ってたけど。
それ以外の、どういう人かとか、バックボーンとかは全然知らない。
だから「え、この人?」って感じだった。

 

__

イメージとも違うし。

 

光子

まぁね。
それはよくある話で。

 

__

そういうきっかけで、親交を深めてというか。
仲良くなっていったんだ。

 

光子

まぁ、私は英語の勉強がね。

 

__

デビッドが日本に来たから、より英語の勉強が出来ると。

 

光子

でも別に、お茶しようくらいで。
会うと私は、プロレスの話をしてるだけだったんで (笑) 。

 

__

あはははは (笑) 。
ブレない。

 

光子

もう全然 (笑) 。
勝手に、私が話したいこと話して。
でもちゃんと「うんうん」って話を聞いてくれたから、いい人だなって。
そんなこんなです。

 

David

Tokyo life was good, but I don’t miss it.

 

光子

そうね。
トーキョーライフは良かったけど、
別に未練はないね。

 

__

Okayama life is …

 

David

Great !

 

__

おぉ!

 

光子

本当に気に入ってますよ。

 

__

前に聞いたんだけど、
デビッドのオフィスの名前を「Fast River 」にしたのは、
岡山に来たら天気もいいし、道も広いし、川があって緑があって。
そういうのがいいなって思ってつけたって。

 

光子

そうそう。
思いつきでね。
よし、じゃあここにしよう!ってね。
ひらめきで住んじゃったから。

 

__

インスピレーション?

 

David

Yes!

 

光子

あまり考えてなかったんだよね (笑) 。

 

__

それこそ震災を機に、ね。

 

光子

そうですね。

 

__

アキラちゃん(末娘さん)が3.11の日に…。

 

光子

地震の日に生まれて。
一週間後に、岡山に着いたのかな。

 

__

生まれた後だったんですか、地震が起こったのは。

 

光子

夜中に生まれて、14時頃に地震があったんで、生まれて半日後ですね。
退院したのが、生まれて5日後で。
ちょっとなんか、危ないっていう噂があるから、
とりあえず遠くに行ったらどうだろう、っていう感じでメールが来て。
最初、京都に行って。
それからさらに2日後に岡山に来て。
だから実際のところ、産んでから一週間で来たんで。

 

__

行動も決断も早いですよね。
産後の体調は大丈夫だったんですか?

 

光子

それが、すごいことになってて。
足が2倍ぐらいになってて。
出産の後って、アドレナリンが出てるのか、
自分としては全然なんともないんですよ。
「平気平気」「元気元気」みたいな感じで。
でも見た人は
「あんたちょっと足がおかしくなってる」
「サリーちゃんみたいになってる」
「やばいよやばいよ」って。
周りが心配してくれて。

 

__

一大事だから「どうにかしなきゃ」みたいな感じで。
守らなきゃ、って。

 

 

光子

もう、頭が飛んじゃってる感じ。
産まれたてで、そうじゃなくてもアドレナリンが出ている上に、
そういう緊急事態みたいになってて。
なんかもう、ネジが何本か飛んじゃってるみたいな感じですよね。

 

__

デビッドは、一緒に移動?

 

光子

一緒に来たんですよ。
それでしばらく滞在して、どうする?っていう話になって。
さっき言ったように、
元々東京には未練がなかったんですよね。
前から、どこか違うところに住みたいっていう話もしてたし。
でも実は、うちの父が介護状態で、その頃。
私が、出産の前の日まで介護に行ってたぐらいで。
一緒に住むか、っていう話まで出てたんですよ。
でも、その状態だったらもうしょうがないから、
父はもう病院に任せて、
とりあえず私たちだけどこかに住もう、って話になったときに、
歩いてて「ここがいいんじゃない」って。
思いつきで (笑) 。

 

__

うん。

 

光子

じゃぁそれを早速実行に移そう、ってなって。
やっぱり外国人なんで、引っ越しについてはよく分からないじゃないですか。
だから私が、新生児のアキラを連れて、一旦実家の川口に戻って、
とにかく急いで引越しの準備をして。
その間、マハ(娘さん)とデビッドは岡山で待ってる、
って言う状況だったんですね。
それで、その間にふたりでここ(後楽園)にデートに来た、っていう。

 

__

それが、さっきデビッドが見せてくれた、マハちゃんとの思い出の写真だ。

 

David

Of the parents in the maternity clinic, we were oldest.

 

光子

そうね。
私たちは結婚した時点で、歳がいっていたので。

 

David

There were some very young mothers there.
The clinic staff did an amazing thing.
They needed to get the clinic ready very quickly, with no electricity, after the earthquake.
I was moved by how well they worked.
I’ll never forget that.

 

光子

私が産んだ産院の話をしていて、
すごい地震だったんだけど、
その時の若いスタッフとか周りの人の様子に、凄い感銘を受けていて。
どういう風に動いているかとか。
冷静さとか。
駐車場にみんな集められたんですよ。
赤ちゃんも含めて。

 

__

みんな抱えて。

 

光子

そう、みんな抱えて。
全員 (笑) 。
ね。

 

David

They had to move everything and everyone to the parking lot.
The mothers who had already given birth (and their babies) and the women who had not given birth yet.

 

光子

看護師さんとか、すごい冷静だった。
日本人は、やっぱりすごい。
美徳というか。
そういう状況で、やるべきことを。

 

__

混乱したりパニックにならず、ちゃんと計画的に。

 

光子

そそそ。
計画的に。
「みなさん、出てください」とか誘導とかも、すっすっす、って。
それにすごく感銘を受けたみたい。

 

David

That’s one memory.
The second memory was asking a doctor about the radiation scare.

 

光子

放射能について聞いた。

 

David

He told us that staying in Kawaguchi for the next year might be similar exposure to about ten x-rays.
Which would be fine for adults, but we don’t x-ray babies.

 

光子

お医者さんに、
「放射能の影響どうですかね」って聞いたときに
川口にいるのは10回レントゲン撮るくらいのもんかもで
成人は大丈夫だろうが、赤ん坊にはレントゲンかけないよ、と。
要するに、それだけ赤ちゃんにとってはすごく影響が強い。
大人に対する影響と、新生児やこどもに対する影響は、全く違うものだ、と。
そういう事を、多分言いたかったんだと思う。

 

David

I had lived in Tokyo ten years and I had never heard of Okayama.

 

__

岡山を知らなかったの?

 

光子

「岡山」って、聞いたことなかったんだって。

 

David

It was the first time to hear the name.
We moved so quickly, but once I told Tokyo friends where we went, everyone had the same reaction: “Okayama is great!”

 

全員

あはははは (笑)。

 

David

Everyone said so.

 

__

あ、みんなお勧め?

 

光子

知り合いに言ったら、みんな、岡山いいよって。

 

__

でも最初は、デビッドは知らなかったんだね。

 

光子

「岡山」っていうのが、頭になかったみたい。
大阪、とかね。

 

__

広島とか?

 

David

Yes.

 

光子

岡山って、そんなところがあるんだ、って。
予備知識が全くなかった。

 

David

Actually, now is the first time I don’t feel like moving.

 

__

たしかに、
倉敷は知ってるけど、岡山ってどこ?同じ県?とかって、よく聞かれますからね。

 

光子

日本人の私からしても、
通り過ぎたり、
ちょっと停まったことはあっても、
詳しくは知らない、って感じだからね。

 

__

知らない人にとっては、わざわざ下車しない感じですもんね。

 

光子

そうですね。
プロレスで来たとしても、すぐ帰っちゃう (笑)。

 

__

武道館行って、終わり (笑) 。

 

光子

そう。
あんまり細かい印象がなかったからね。
だから、まったく予備知識がなく。

 

 

__

あまり予備知識のなかった岡山に住むっていうのは、チャレンジだったりしたのかな?

 

David

No, not really.
I had moved a lot in my life.

 

光子

独身時代から結構メキシコに行ったりとか、
あっち行ったりこっち行ったりして住んできたから。
本人が後から言うには、動きたかったんだって。

 

__

ちょうど、動きたいと思っていた時だったんだ。
それで、安全なところでとか…。

 

光子

特に、今はこどももいるから、そういう項目も増えましたね。

 

David

Actually, now is the first time I don’t feel like moving.

 

光子

前はすぐ、どこか別のところに住みたいな、
みたいなのがあったんだけど、
今は前と違って、そういうのは感じないんだって。

 

__

今はそういう、引っ越しへの欲求は…。

 

光子

今はあんまりないみたい。

 

David

Now I’m an Okayama-Jin.

 

__

おー (笑)。

 

光子

よく、これ言うんですよ。
東京の駒込っていうところに住んでたことがあって、
そこはそこで、すっごい気にいってたんだけど、
他に住みたい欲求っていうのが、常にある感じ。
こどもを作るんだったら、おじいちゃんおばあちゃんの近くにいた方がいい、
って話して実家の川口に住んだ時も、
まだ、なんかあったら、どっか行きたいって言ってた。

 

__

それはなんだろう?
リフレッシュ?

 

David

That’s right.

 

光子

あんまり、じっと落ち着くタイプではない。
興味が色々あるからかもしれないですけど。

 

__

私も良く引っ越しするから、なんとなくデビッドの気持ちは分かる。
自分のやりたいこととか、興味が変わるタイミングで、
引っ越しをしたくなるのかも。

 

光子

分かります。
全部動かして、全てをリセットする、みたいな。

 

__

ポジティブな感じですよね、きっと。
ひとつのことを達成したら、
次の目標に向かって環境を変えたくなる、
みたいなところもあるんでしょうね。

 

光子

それで結局、岡山に来て、真っ白な状態から始めて。
でも、なんだかんだ言って、8年ですからね。
ね。
あっという間だったね。

 

David

Actually, even in my childhood we moved sometimes.
Eight years in Okayama is now the longest I’ve ever lived in one place year-round.

 

光子

こないだも言ってたんだけど
気づいたら、岡山での暮らしが人生で一番長い。
デビッド人生で、
ひとつの所にいた長さとしては、岡山が一番長い。

 

__

そうなんだ。

 

光子

こどもの頃に、ボストン近郊の海辺のまちに住んで、
小さい頃には、今の両親がいるところに住んで、
それから寮に入っちゃったから。
だから、ハッと気づいたら、
岡山が一番長かったんだよね。

 

__

デビッドが思う、
岡山の好きなところってどんなところ?

 

David

It keeps changing because I am finding new places.
Actually, recently I found a lot of new places because I’ve become a runner.

 

光子

ふふふ (笑) 。

 

__

走ってるの?

 

光子

最近すごく(笑)。
こないだもフルマラソンを。
勝手に自分で。

 

__

勝手にフルマラソン (笑) 。

 

David

Yes.

 

光子

大学の英語教諭とかのお友達がいっぱいいて、
カイロプラクターの人ともお友達になって、
もう、しょっちゅう走ってるんですよ。

 

David

We’ve found a lot of new routes.

 

光子

走りながら、新しい場所を発見するのがいいみたい。

 

 

David

Especially along the Asahi River.

 

光子

旭川沿いに向かってよく行ってる。
あぁ、多分、とにかく百間川の方とか、
色んなところをぐるっと周って、海の方まで走るって。

 

__

そんなに走るの!?
すごい(笑)。

 

光子

アホみたいに走ってる (笑) 。

 

David

You can run along the Hyakken River down to Kojima Bay, over the big bridge toward the Toho Cinema.

 

__

岡山港の方まで行ってるんだ。
そっか。
勝手にフルマラソンするくらいだから(笑)。

 

光子

そうですねぇ。
なんで急に目覚めたか分かんないんだけど。

 

David

We ran once in the Kumenan Hills too.

 

光子

どこまで (笑)。

 

__

びっくり〜(笑)。

 

David

It’s beautiful Up there.

 

光子

こないだもお友達と、マジで山に登るっていうのをやって。
勾配の激しいところを(笑)。
そういうことをしながら、
楽しい、新しい場所を探すのが好きみたい。

 

David

Okayama is a great city for runners.

 

光子

岡山は、ランニングするのに素晴らしい場所だと思う、って。

 

David

Great routes, and weather.
The city has provided an 11K runner-only route along the Asahi River.

 

__

ちょうどいいんだ。

 

David

Yes.

 

光子

じゃあ岡山市は、ランナーにプッシュしないといけないですね。
ぜひ来て、ランニングしてくださいって。

 

David

It’s really wonderful.
And the official Okayama Marathon is really well planned and people should come and enjoy that.

 

光子

この観点は、
私はランナーじゃないから全くなかったんですけど。
でも、すごくいいみたいですよ。
景色を楽しみながら走れるところがいっぱいあって。

 

__

どの季節でもOK?

 

David

Sure, you can run in any season in Okayama, but I especially like the summer.

 

__

な、夏っ!?

 

David

The hotter the better.
I really enjoy that.

 

光子

まぁね。

 

David

Winter’s a little bit hard. (笑)

 

全員

あはははは (笑) 。

 

__

あそっか (笑) 。
スウェーデンが寒いって言ってたもんね。

 

光子

スウェーデンの血なのに (笑)。

 

David

…I love Onsaya Coffee.

 

光子

急になんだよ (笑) 。

 

__

あはははは (笑) 。
さっき私が、岡山の好きなところを聞いたからね。

 

David

When I first came to Okayama, I walked around the city for many hours looking for companies I would want to work with to make websites.
In Hokancho, I found Onsaya Coffee and fell quickly in love with that cafe.
The old style, the blues music.
It’s a great place.
I also found Bad Girl Songs barbershop while walking that day.
Just looking in the window, I thought “this is my kind of place”.

 

__

歩いて、お気に入りの場所を見つけたのね。

 

David

Yes.

 

 

光子

昔からそうなんですけど、
自分で歩いて、
ONSAYA なり、bad girl songs なり、
自分の好きな場所を見つけて。

 

David

So I talked to Sumoto-san at Bad Girl Songs.
He said “I don’t need a website”. (笑)

 

光子

最初はね。

 

David

But you know, it was still my favorite place.
And I’ve had my hair cut there every month for eight years.

 

光子

そうね。
こっち来て、巣元さん(Bad Girl Songs)とお友達になってからは、
毎回、カットしてもらってるから。

 

David

Eight years.

 

__

ずっと巣元ヘアーだ。

 

David

That’s right.

 

光子

ふふふ (笑) 。

 

David

And finally last year, Sumoto-san decided to make a website. (笑)
As I expected, it’s one of my favorites.

 

__

そっか (笑) 。

 

David

I worked with Kato-san on that one.

 

__

写真家の加藤晋平さんね。
ONSAYA も、デビッド がウェブサイトを?

 

光子

そうですね。
大体、自分が好きなところ。
好みが分かる。

 

__

ちゃんと、お仕事につながってるんですね。

 

光子

逆に言うと、
自分が好きじゃないとやりたくないみたいなんだよね。

 

David

Lots of websites in Japan look very similar.
White space, too much text.
Little drawings.
That’s great, It’s just not what I do.
I like a big visual presentation, and I work with companies that like that look.

 

光子

自分の好きなところだけね。

 

David

Azuma-san was perfect for that.

 

光子

ONSAYA の話ね。

 

David

He wanted a very visual presentation.

 

光子

好きな音楽が一緒の部分が大きいので、共有できるんでしょうね。
頭の中で、こういうイメージのものが欲しい、
って言ったときに、
音楽の趣味も重なってるから、
何を求めているかが、すぐにピンとくるんだって。

 

__

デビッドが良いと思うものと、感性が合うんだ。

 

光子

音楽のビジュアルもそうですけど、
例えばONSAYA で、こういうビジュアルが欲しいってなった時に、
「音楽で言うとこういう感じ?」
って言うとすぐに分かるみたい (笑) 。

 

__

面白い。
コミュニケーションの方法が合うんだ。

 

光子

その人たちなりの感性が合ってるんでしょうね。
私には、全く分からない (笑) 。
それは、東さんとデビッドが共通の趣味を持ってるから、
多分、チャンネルが合うんだと思う。

 

__

音楽のね。
コーヒーも好き?

 

David

Yes for sure.

 

光子

コーヒーも大好き。
毎日飲んでるよね。

 

David

Because I like visual websites, working with Kato-san is a very fortunate thing.
I’m so lucky.

 

 

光子

加藤さんとは、家族ぐるみで仲良くしてるんだけど、
加藤さんの写真がすごく好きだから、
何かあると、いっつも加藤さんにお願いしてるの。

 

__

じゃあ、家族写真とかも撮ってもらってるの?

 

光子

家族写真もお願いしました。
七五三の時も。

 

David

It’s like I playing a neighborhood game of basketball and having Michael Jordan on your team.

 

光子

そうね。
いつもの生活だと、
近所のお友達とバスケットボールをやってるような感覚でいたけど、
そこにマイケル・ジョーダン並の、
プロフェッショナルな加藤さんがやってきたみたいな感じだって。

 

__

そっかぁ。

 

David

So it’s fun.

 

光子

とにかく、そういう岡山のお友達関係の生活がすごく楽しいみたい。

 

__

じゃあ、いい出会いが、この8年の間で。

 

光子

そうですね。
変な話、東京にいた時も、
友達とか知り合いはいっぱいいたんですけど、
あんまり友達と遊びに行かなかった。
だから、逆に心配になって、
「友達を作るのはどうだろう」って言ったことがあって。
だけど、「いや別に必要感じない」って。

 

__

あまり深めたいとは思わなかったのかな。

 

光子

特に作ろうっていう意識もなく、別に不足も感じず。
全然満足してるので。
「別にいらないよ」みたいなことを言われ。
「あっそう」って。

 

__

馴染めてない感じだったの?

 

光子

いや。
自分の好きに生きてるので、全然心配はしてなかったんですけど。
でも、人生の中の一部分で、
友達と話したりする時間があってもいいんじゃないかと思ってたから、
そういうのはいいのかな、って思ってて。
でも、岡山に来てから、
自然に知り合いがポツポツとできてきて、
友達がどんどん増えてきて、
プラス、自分の趣味も共有できて、っていうのがある。

 

__

それ、最高じゃないですか。

 

光子

そうそう (笑) 。
だから、岡山に来てから、
私が「作ったら」って言わなくても、
自然に友達ができてるし、
しかも、趣味も共有できて、めちゃくちゃ楽しい (笑) 。

 

__

最高ですね。

 

光子

東京時代は、全然興味なかったんですけどね。
私も似たようなところがあって、
友達がいてもわざわざ会おうよとか、
そういうタイプじゃないんで。
おうちが好きで、ゴロゴロするのが好きだから、
あんまりそういう必要を感じていなくて。
まぁ、夫婦ふたりとも岡山に来て、
友達、交友関係みたいなのが生まれている、
っていうのはある。

 

__

その変化って、お子さんがいるのも大きいですか?

 

光子

大きいですね。
やっぱり、こどもにお友達がができて、そのお母さんと話してて、
その中で、見てる方向性が近い人とか、
考え方に共感できる人とかが結構いるなと思って、
自然に増えていった感じなんですけど。
加藤さんところもそうだし。

 

 

David

It was surprising how many community activities there are in Okayama, like the markets at Ishiyama Park and Nishigawa.

 

光子

そうね。

 

David

It was my first impression of Okayama, walking through a night market at Nishigawa, with all the lights and people.

 

光子

多分、イベントをやってたんですよね。

 

David

There was live jazz music outside and someone selling glasses of wine.
I thought to myself “what is going on here?”.
It felt more like a European city.

 

光子

川口もわりと下町で、
今も半分くらいは外国人が住んでるんじゃないかっていうくらい、
場所によっては国際色があるんですけど。
それとはまた違ってて。
全然違うんですよ。
なんか、説明しづらいんですけど。
来た季節も良かったんだと思うんですけど。

 

__

春ですもんね。

 

光子

桜の頃で、イベントがいっぱいあって。
出るといつも、何かしらやってて。
多分、それに驚いたんでしょう。

 

__

全然知らなかった「岡山」っていうまちに来てみたら、
意外と住みやすいし、いろんな所でいろんなことをやってるし、
なんか面白いぞ、みたいな。

 

David

One of the great Okayama places is the bar called Pablo.

 

__

丸の内の、旧内山下小学校の裏のBar?

 

David

That’s right.

 

光子

私は行ったことないんですけど。

 

David

It’s so good.

 

光子

あっちこっち行ってて。
よく、あそこがあーだったこーだったって、教えてくれるんですけど。

 

David

From the outside, it just looks like a tree.

 

__

古い感じのね。

 

光子

すごくお気に入りのところができたみたいで。

 

__

それも、歩いて見つけたの?

 

David

Azuma-san from Onsaya Coffee and Jikuhara-san from Cochae introduced me to that place.

 

__

なるほどぉ (笑) 。
そうなんだ。

 

光子

軸原さんの弟さんもBar をやってるんだよね。
ターブル・ハラダの上で。
そこも素晴しいって。

 

__

PAGANINI ですね。

 

David

He is a professional.

 

__

この前、県立図書館フェスタで、
ワークショップの企画をお手伝いした時に、
コチャエさんに、
折り紙のワークショップの講師をお願いしてね。
すごく好評だったの。
コチャエさんも素敵なデザインユニットですよね。

 

David

Great.

 

__

デビッドにとっては、
移り住んで来て良かった感じなのね。

 

光子

いやもう、バッチリ。
ここをすごく気に入ってるから。

 

__

光子さんにとって、岡山はどうですか。

 

光子

デビッドとは意味が違うんだけど、
正直言って、私の場合は子育てが中心だったんで。
でも、運が良かったっていうのもあるんですけど、
出会った人も、こういう人と会いたいと思ってた人と会えてるし、
こどもたちにとっても、素晴らしい環境だったし。
実は、住む前に、岡山の先輩にリサーチしたんですよ。

 

__

あ、先輩が岡山に。

 

光子

そうそう。
大学時代の先輩が東区に住んでいて、
「住もうと思ってるんですけど、どんなところがお勧めですか?」
ってメールをして。
うちの夫が外国人だってことを考えた上で、
ここがお勧めだよ、っていうのがあったら教えてください、って。

 

__

なるほど。

 

光子

その方も、イタリア人の旦那さんがいるから、
多分そういうのに詳しいのかなって、勝手に思って。
そしたら、こことかこことかこことかがお勧めだよ、って
いっぱい教えてくれて。
そのうちのひとつが、中心部。
私たちみたいな人も、いっぱいいるよ、って。
そういうのを聞いた中で、
デビッドが日本の運転免許を持っていないので、
郊外はちょっと厳しいかな、と思って。

 

__

歩きとか、自転車で移動できる範囲で。

 

光子

そう。
そしたら、中心部だね、って。
しかも、小学校とかの評判を聞いて、
ここが良さそうだね、ってなって、ここに決めた。
中心部で行きましょう、って感じで。
でも本当に、その時の直感もそうですし、
決定については、素晴らしい決定をしたなと思ってますけど (笑) 。

 

__

今、振り返ってみても。

 

光子

振り返ってみても。
もう引越しちゃいましたけど、
野田屋町もすごく気に入っていたし。

 

__

出石に引越したんでしたっけ?

 

光子

そうそう。
もう、すぐそこ (笑)。

 

 

David

I can hear.
“トゥン トゥン トゥン トゥ〜ン♪”

 

__

あ、後楽園の音が聞こえるの?

 

David

Yes.
Sometimes when I’m working with the windows open l can hear the birds.

 

光子

鶴の「クウェーン クウェーン」っていう鳴き声がね。

 

David

Those birds can make a really large sound.

 

光子

けっこう大きいです。
鶴の鳴き声 (笑) 。

 

David

The children’s favorite place is Tako Koen.

 

__

タコ公園ね (笑) 。

 

David

They grew up playing in Tako Koen.

 

光子

蕃山町の、税務署の隣にある、昭和チックな公園。
あそこがこどもたちの基地なんですよ。
中央小学校の子は、みんなタコ公園に集うんですよ。

 

__

お気に入りなんだ。

 

光子

もう、すっかり地元民。
特に下の子は、生まれてから一週間で来て、
ずっと岡山で育ってるから。

 

__

そうですよね。
岡山しか知らない。

 

光子

知らない。

 

David

My natural state in Okayama is to be working at my computer, with the children at Tako Koen and Mitsuko at Zero Doughnuts.

 

__

もうちゃんと、それぞれの居場所があって。

 

David

Yes.

 

光子

もう、もろにここが地元だから。
私たちからすると、
もう、岡山っ子なので。
上の子も、ちゃんとした友達ができる前にこっちに来ちゃってるから。
これから友達作ろうねって、って言ってたら、
震災が起きて、こっちに来ちゃったので。
だから初めて友達ができたのが、岡山。
それが、加藤さんちの娘さん。

 

__

そういえば、今年(2018年)の「マチノブンカサイ」に、
マハちゃんが友達と自転車でファーっと、
こども達だけで遊びに来てくれて (笑) 。
まだ、小さい時のイメージが残ってるから、
こどもたちだけですごい、と思ったの(笑)。
だけどよく考えたら、そりゃそうだよな、と思って。

 

光子

そうなんですよ。
地元民なんで (笑) 。
もう、そういう歳です。
七五三にしても、ほとんどのイベントは岡山でやっているので。
ね。
ほとんどの写真に、岡山の景色が。

 

__

彼女たちにとっては、岡山が地元なんですね。

 

 

David

One of our favorite place was the Chuo kindergarten.

 

光子

そうね
もう、中央幼稚園はなくなって、こども園になっちゃったんだけど。

 

David

It has an enormous tree.
Like a story book.

 

光子

ちっちゃい園なんですけど、フウの木があってね。

 

David

Lots of kids climbing this enormous tree.
It’s amazing.

 

光子

いい思い出ですよね。
この界隈が、彼女たちにとってはホーム (笑) 。

 

__

そうですよね。
もし、大きくなって、県外に出たとしても、戻ってくる場所。

 

光子

毎日、楽しく過ごしているし、
県立図書館も、市立図書館も、行き放題だし。
すごい恵まれているところだと思います。

 

__

子育てもやりやすかったですか?

 

光子

郊外でも、素晴らしいところはいっぱいあるんですけど、
私にとっては、この、身近な範囲内に、
図書館もふたつあって、食べ物に関しても素晴らしい。
直売所も色々あるし。
至れりつくせり (笑) 。

 

__

光子さんたちが岡山に来て、まだ間もない頃に、
岡山の情報を調べるのに苦労する、
というような話を聞いたのが頭に残っていて、
今回、この「OKAYAMA CULTURE SCOPE」をつくる時に、
情報が得やすいサイトになればいいな、
という思いもあったんですよね。
うまく反映出来るといいなって。
岡山に住まれてもう長いので、
当初とは少し情報入手の手段も変わって、
ネットだけじゃなくて友達からとか、
リアルなネットワークで情報を得る方が多くなってきてるかもしれないですけど、
普段、どうやって情報を得ることが多いですか?

 

光子

インターネットはもちろん使いますし、今だとインスタグラムとか。
仕事以外では、私、あんまりテック人間じゃないので、
友達に聞いちゃったりとか。
でも、前に、両親が岡山に来るにあたって調べたことがあって、
ちょっとしたことなんだけど、
思いのほか、欲しい情報にパッと行かないなっていうのは、
その時も思いました。

 

__

たとえばどんな情報ですか?

 

光子

食べものとか…、あと、交通手段。
交通手段は、外から来た人だと、まず、スッと分かるのが一番なので。
あとは、普通に生活してても、
たまに、外国人観光客とかで迷ってる人とかがいたりして、
声かけたりもしたんですけど (笑) 。
あんまり情報がまとまってないですよね。
多言語対応とかも、まだ弱い気がしますし。
でも、この界隈に関してはコンパクトなので、
うまくまとめられる気がするんですけどね。

 

__

そうですよね。
今、文化施設や観光サイトとかで、
それぞれ色々情報発信はされているんだけど、
そういうものが「ある」っていうことを知らないのでね。
まず、そういうものが「ある」っていうことを知ってもらうための工夫が必要なんじゃないかな、
と思っていて。

 

光子

そうですよね。
桃太郎観光センターとかもあるんですけど、
どのくらい使いきれているのか、っていうのも分からないですもんね。

 

__

外国の方も、増えてますよね。

 

光子

増えてますね。
やっぱり、特にここら辺はね (笑) 。
とりあえず後楽園だから、岡山は。

 

__

まず、後楽園を目的に来たら、
そのついでに寄ってもらえる選択肢が増えるといいですよね。

 

光子

そうなんですよ。
逆にツーリストも知りたいんだと思いますよ。
どこへ行ったら、おいしいものが食べられるのか、とか。
似たような情報ばっかりになっちゃうから。
もっと選択肢を (笑) 。

 

 

David

If a local business wants more tourist customers, it should be easy to achieve.
The Koraku Hotel has done a great job with that.
They have an English-language website and 24-hour English-speaking staff.

 

__

後楽ホテルが?

 

David

That’s right. Because of that service,
I always have visiting family and friends stay there.
Any business that wants more tourists just needs to open their door.

 

光子

まぁ、そういう観光客を欲していれば
道は開かれるって言いたいんだと思うんだけど。

 

David

It’s strange sometimes to visit a great museum, and their website only has one small page of English.
The city is full of university professors and foreign students.
It seems strange that the instructions don’t reach out to that population to make better foreign-language materials.

 

光子

美術館とかはあるんだけど、英語のインフォメーションはあんまりないから、って。

 

__

そうなんだ。
デビッドが日常的な暮らしの中で、
言語で不自由することってあるのかな?

 

David

l should say, not speaking Japanese is completely my fault and my problem. (笑)

 

光子

まず、自分が日本語を喋れない、ということを言っておきたいみたい (笑) 。

 

__

うん。
OK。

 

David

Nobody should have to help me.

 

光子

そうね (笑) 。

 

David

I should speak Japanese.
I guess I’m just shy to do so.

 

光子

私のミスでもあるのかな。
もうちょっとプッシュすればいいのかな。
でも、あんまり…
I don’t push much i’m so sorry.

 

David

Someday.

 

全員

あはははは (笑) 。

 

David

Over the rainbow.
But everyday life here is not difficult.

 

光子

全然、不自由は感じないって。
毎日の生活には。

 

David

There are some people who don’t want to communicate of course.
But for everyone else, just trying a little bit – me in Japanese and them in English, we can do just fine.
All it takes is the willingness to try to communicate.

 

光子

そうね。
だいたいの場合は問題なく、
本当にごく少数の人で、コミュニケーション自体をとらない人がいるから、
そういう人に会うこと以外では不自由は感じない。
コミュニケーションとろうとする人は、大抵なんとかなる。

 

__

そっか。

 

光子

最初からダメってならなければ。

 

David

One time at the station a taxi driver refused to take me.
l said “Korakuen” many times but he said he couldn’t understand what I was saying.
How difficult is it to understand “Korakuen” ? (笑)

 

__

伝え方を工夫してみるのね(笑)。

 

光子

でも、流暢に話さないっていう時点でトラブル回避で、拒否する。

 

David

The very next taxi was fine and brought me.

 

__

結局は、人によるんだねぇ。

 

光子

人によるんですよね。
でもそれは、誰にでもよくあること。
世界中どこでも同じだからね。

 

David

That’s right.
Most people want to try.

 

光子

そうね。
ほとんどの場合はね。
みんな親切だから。

 

David

No problem.

 

 

__

今、岡山の暮らしを気に入ってくれていて、
お気に入りの場所も出来て楽しんでいるけれど、
これから先も岡山で暮らしていく中で、
もっとこんな風にしていきたいな、っていうのはある?
個人的なことでも、家族としてのプランでも。

 

David

I wonder maybe in ten years there won’t be websites.
Technology moves very fast.
So I’m already thinking of what I might do later in life.

 

光子

テクノロジーがずっと進んで、
ウェブデザインとかも、AI とかがやる時代が来るかもしれないから、
っていう事を、多分言いたいんだと思うんですけど。

 

David

It’s very exciting actually.

 

__

ワクワク?

 

David

I think so.

 

光子

そうね。
10年後は、何か違うことをやりたい。

 

__

おぉ。
デザインだけじゃなくて、他の何か…。

 

David

Something.

 

光子

アグリカルチャー。
野菜でも作って (笑) 。

 

__

あら!

 

David

I don’t know. (笑)

 

__

今の仕事にあんまりこだわりはないんだ。

 

光子

あんまりね。
多分、その時その時で流れて行くんで (笑) 。
今のスキルも、結婚してから独学で身につけたんですよ。
元々は、ニューヨークの雑誌社で働いていて、
その後は、洋服屋さんのカタログ作りとか。

 

David

Do you know J.Crew?

 

__

うん、知ってる。

 

David

I worked for that company.
I designed catalogs and then worked on their first website.

 

光子

その頃は、デザインはやってたんだけど、
自分でデザインっていうよりは、どっちかっていうと、指示する方。
それで、自分でやる方のスキルを身につけて、今に至る。

 

David

J.Crew was mostly a paper catalog.
That was very popular back then.

 

__

じゃあ、仕事に対して、これじゃないとダメ、みたいなのはあんまりないんだ。

 

光子

ないんです。
元々ないから。

 

__

自由に、その時の感じで。

 

光子

計画性がない、って言うんですよね。
平たく言うと (笑) 。

 

__

柔軟性があるとも言う(笑)。

 

光子

まぁ、流れるように行くしかない、みたいな。

 

David

Try something else.

 

光子

そうね。
でも、どんどん全て、変わって行くから。
私たちの若い頃ともかわってるし。

 

David

But I don’t think we’ll move from Okayama.
I’m pretty sure we’ll stay here.

 

光子

こどもたちは、少なくても岡山暮らしが一番ベースにあるから。
何が起こるかは分からないけれども。
ボトムラインですね。

 

__

それって、大きくなってからに、きっと大きな影響を与えますよね。

 

光子

私のこども時代を振り返っても、すごい重要って思うんで。
こどもにとっては、重要。

 

 

__

光子さんは、これから先、どうしたい、とかってありますか。

 

光子

なんにもなくって (笑) 。

 

__

あら、本当 (笑) 。

 

David

Mitsuko worked all year on illustrations for a book.
Next week they are having a gallery show at BEAMS in Shinjuku.
It’s a big deal.

 

光子

うちの姉がストーリーを考えて、私がそれにイラストをあてて、絵本を作って。
東京の新宿のビームスギャラリーで、12月7日にレセプションがあるので。

 

__

もう、すぐじゃないですか!
(注:インタビューは11月下旬)

 

光子

そう。
それを控えておりまして。
だから、イラストレーションとかの仕事は、展開していこうとは思うんですけど。
でも、どういうカタチになるかは分からない (笑) 。

 

David

She’s been working on it since spring.
It’s our biggest project ever, and all I needed to do was cook. (笑)

 

光子

私が結構忙しかったから (笑) 。
料理とか洗濯とか、結構やってくれて。

 

__

そうかぁ (笑) 。
優しい。

 

光子

頑張ってくれてて。
(デビッドに向かって)ありがとう。

 

__

「ぜろどーなつ」も、今、お手伝いされてるんでしたっけ。

 

光子

そうそう。
「ぜろどーなつ」も、ずっとやってて。
ライフワークとまではいかないんですけど、
友人の加藤さんの考え方に共感しているので、
加藤さんが良ければ、続けて行きたいと思っていて。

 

__

そうなんですね。

 

光子

もし私が「ギャラリーショウ」をやるなら「ぜろどーなつ」でやる、って約束してて。
そういう場を大切にしたいな、と思っていて。
それこそ、
この岡山の狭い範囲内で、友人関係とかを大切にしながら、
ここで暮らしていこうかな、と。

 

__

素敵。
楽しみですね。

 

光子

ありがとうございます。
なんか、うちの下の娘に「将来の夢は何?」って聞いたら
「ぜろどーなつ」って (笑) 。

 

__

あはははは (笑) 。

 

光子

どういうことかな、って (笑) 。
「ぜろどーなつ」を継いでくれるのかな。
でも、お母さんがやってるんじゃなくて、
加藤さんがやってる事業だよ、って言って。
でも、そういう風に言ってくれてるから。

 

__

好きなんだねぇ。

 

光子

お母さんたちが、一生懸命、私たちの食べるおやつを作ってくれてて、
っていうのを身近で見てるから。
そう言ってくれて、ちょっと嬉しいな、って。

 

__

うん。
何か感じてくれてるんでしょうね。

 

光子

そういう、人にも恵まれたこの地域がいいなぁと思っていて。
ありがたいなと思っております。

 

 

 

 

David Macklem(デビッド マクレム)
綿引 光子(わたびき みつこ)

 

 

Davidさんの手がけたウェブサイトの一例はこちら
・ONSAYA ▷ https://onsaya.com
・Bad girl songs ▷ https://badgirlsongs.com
・ぜろどーなつ ▷ https://zerodoughnuts.com
・Chara オフィシャルHP ▷ https://charaweb.net

 

『LITTLE HEARTBEAT』
光子さんのお姉さんであるCharaさんの誕生50年を記念して、
光子さんとの共著となる絵本 『LITTLE HEARTBEAT』 を株式会社ビームスから出版され、
東京・新宿「ビームス ジャパン」で開催されたエキシビジョンに引き続き、
大阪・此花区のホテル「THE BLEND INN」でもエキシビジョン開催が決定!
Charaさんが物語、光子さんが絵を担当されています。
ご都合の合う方は、この機会にぜひ!

開催期間:2月9日(土)~3月17日(日)

詳しくは、Charaさんのウェブサイトにてご確認ください。
▷ ☆絵本『LITTLE HEARTBEAT』エキシビション、大阪での開催が決定!

 

 

 

インタビュー・写真
石井 範子(ENNOVA OKAYAMA)