イベント概要

伊勢崎寛太郎 展 ―そこはかとない―

天プラ・セレクションvol.102[+:プラス部門]

 天プラ・セレクションは、岡山県ゆかりの美術作家を個展形式で紹介する、天神山文化プラザの企画展シリーズです。プラス部門では、推薦委員から選出された作家をご紹介します。

 伊勢崎寛太郎は、備前市出身の彫刻家で、今回が地元岡山での初個展となります。備前焼の窯元で育った作家は、備前焼に用いる『土作り』のプロセスに興味を持ち、各地の土を掘り起こして彫刻表現に取り組むようになりました。

 近年、伊勢崎は、干上がった池に立つという経験をし、その時に今回の作品のインスピレーションを受けました。その場所は季節で水位が異なり、夏は水が満杯に、冬は水位が下がることで、普段は水がある所にも立ち入ることができます。その場所に立つことで土の中の地層を見ることができ、まるで自分が土の中に入った様に味わうことができたそうです。その体験をきっかけに、伊勢崎は、土や水の中といった知覚することができない場所は、どんな変化をしているのか確かなことはわからないと考え、今回の展覧会タイトルの様に「『場所』そのものが曖昧なように感じる。揺らぎ続けている『場所』というものを、自身の身体を通して掴もうとしているのかもしれない」と話します。

 今回の展示は、水の循環と土の時間に着目をした制作を試みます。一度焼成した作品を、時間の風化で粉に戻し、その粉を水と混ぜた粘土で作品をつくるといった『循環』を表象した彫刻をインスタレーションとして展開します。池の水が地面に染み込み蒸発して、雲になりまた雨になる循環のイメージと、長い年月、土の中で粘土に変化していく様を混在させた不思議な空間を、この機会にどうぞご堪能ください。

「身体ト地底」

石膏、土、穴、身体

2024年


伊勢崎 寛太郎 Isezaki Kantaro 略歴

1998 岡山県備前市生まれ

2020 東京造形大学 美術学部彫刻専攻 卒業

2023 東京藝術大学大学院 美術研究科彫刻専攻 修了

主な活動

2021 「植物と容れ物」(Blend studio/大阪)

2022 「LAST STAY」(Hotel koe tokyo/東京)

    「Re-Sculpt」(真鶴観光協会 元干物工場/神奈川)

    「延岡東海さるく2022」(リバーパル五ヶ瀬川/宮崎)

2023 東京藝術大学卒業修了作品展(大学美術館/東京)

    「好きなかたち展」(ギャラリー数奇/愛知)

    「セラミックシナジー展」(京セラ美術館/京都)

    「空気を入れかえる/空気を入れかえる」(東京造形大学/東京)

2024 「KAIKA TOKYO AWARD 2024」(by THE SHARE HOTELS /東京)

2025 個展「底、透ける煙に」(HIROUMI/東京)

主な賞歴

2022 第15回 岡山県新進美術家育成I氏賞 奨励賞

2023 東京藝術大学修了展 帝京大学買い上げ賞

          セラミックシナジー展 秋山裕二賞

2024  KAIKA TOKYO AWARD 2024 入賞

作家Instagram

https://www.instagram.com/kantaro.isezaki/


<会期>
2025年8月13日(水)〜2025年8月24日(日)
月曜休
 

<会期>
9:30~17:00(最終日は16時まで)
 

<会場>

第3展示室

 

<入場>
無料
 

お問合わせ先
岡山県天神山文化プラザ
Tel 086-226-5005 Fax 086-226-5008
Mail:tenplaza@o-bunren.jp(担当:中川)

 


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